
ストラブ日記番外編−梱包よもやま話
これは「専門的」な話なので、お客様には関係ないかもしれませんが、オークションなどで売ったり買ったりする方も多いと思いますので、ご参考までに。
私も商売柄、それに自身コレクターとしてオークションで物を買うことが多いんですが、届くまでいつもハラハラします。いえ、届かない心配ではなくて、輸送中の破損や痛みが心配で。
海外から買ったものはもともと状態が悪いことも多いですが、せっかく元は新品同様だったのに、途中でボロボロになって届くものもありますからね。こういうことは国内ではめったにありませんが、手荒な扱いを受けることが多い国際便では考えられないような状態で届くことがあります。
これまで体験した最も悲惨な例は、まずはLPですが、ちゃんとLP用の段ボール箱に入っているのに、その角の部分(つまりレコード盤が入ってない部分)が何かにかじり取られたようにギザギザに消え失せていて、当然ながら中のレコードのジャケットも同じ状態。
CDでは、まるで象に踏まれたようにケースが粉々に砕けていて、CDは砕けてこそいませんでしたが、その破片で傷だらけ。
それからプロモ・フォト。8"x10"の大きな生写真です。これは普通、写真専用の厚紙封筒に入れて送ってくれるのですが、それが折れたり曲がったりしているのはあたりまえ。ひどいと思ったのは、封筒になんだかわからないオレンジ色のベタベタしたものがくっついて、それが中の写真まで浸透していた例。セラーに文句を言ったら、発送したときはそんなことなかったというので、輸送中についたものとしか思えません。
当然ながらこういうのはすべて売り物にもコレクションにもならないので、即廃棄処分で、払った代金も戻らず丸損です(涙)。
そこで当店のお客様にはこんな思いをさせたくないので、梱包にはとりわけ気を遣っています。
普通、ヤフオクでCDを買うと、皆さん、プチプチ・ビニールで包んだうえ、普通の封筒に入れて送ってきますね。これに対してeBayでは詰め物入りのこわれもの専用封筒に入れて送ってくるのが普通です。でも私に言わせればどっちもダメダメ!
いえ、国内ならどっちもこれで十分なんです。だけど、過酷な扱いを受ける国際便ではこれでは不十分。実際、海外から届いたCDはケースが割れていたり、中のCDがケースから飛び出しているのがしょっちゅうです。
ここで余談ですが、どうも日本にはプチプチ信仰みたいなものがあるようですね。あれで包んでおけば大丈夫みたいな。ところが実を言うと、私の経験ではプチプチはレコードやCDの保護にはほとんど役に立たず、気休めみたいなもんです。というのも、あれは家具や電気製品みたいに「本体は重くて丈夫だけど、細かい傷がつきやすいもの」を守るには最適なんですね。
ところが本体がもろくて軽くて傷つきやすいレコードやCDには、ほとんど役に立ちません。投げたり、落としたりという衝撃には強くても、軽く引っかけられただけであっさり裂けてしまうし(国内でもプチプチが破けて中味が飛び出していたことがありました)、上に重い重量がかかれば、それをあっさり中味に伝えてしまいます。プチプチも何重にも巻いて、風船みたいにふくれあがっていればめったなことでは大丈夫だと思いますが、普通せいぜい二重ですしね。
それではどうすればいいのか、長年の経験から編み出した当店の秘伝を伝授しましょう。
CDの場合
とにかく段ボール!です。先に述べたように、海外からオークションで買ったCDはケースが壊れて届くことが多いのですが、Amazonのような大手ショップから届いたものにはそういうのは一度もありません。そして、大手は絶対にプチプチなんか使いませんね。ご存じのように、すべて段ボール包装です。ここがプロとアマの違いと言っても過言ではありません。
もっともあの梱包材は市販はされていませんし、注文して作ったら大変な費用がかかります。でも大丈夫。構造を見ると、基本は2枚の段ボールを合わせた間にCDをはさんであるだけです。これなら自分で段ボールを切ったり折り曲げたりして作れます。手製なので多少不細工ですが、はみ出したり余ったりした分は、むしろ緩衝材になってくれるのでかえって好都合。
こんな単純な包装なのに、なんでそれが丈夫なのか私も不思議ですが、うちは国内外ともすべて段ボールで発送して、これまで一度も壊れたという苦情をもらったことはありません。実際に床に置いて体重をかけて踏んでみるとその違いがわかります。(これは実際にやってみることはおすすめしません。私も実験するつもりはないのですが、うちはとにかく乱雑なので、ときどきうっかりして踏んでしまうことがあるので)
プチプチ包装のCDはあっという間にバリッとつぶれてケースが割れますが、段ボールのほうは、段ボールがつぶれるぐしゃっという感触はありますが、「わっ!」と思って包装を解いてみると、中のCDは(もちろんケースも)なんともありません。放り投げても当たった先の物が壊れることはあっても(笑)、CDは壊れません。
段ボールに難点があるとすれば、それはプチプチより重くて多少送料が高くなること。そのため当店ではなるべく軽量で柔らかい段ボールを備蓄するように心がけてます。あと、もちろん(段ボールを入手したり、切ったり貼ったりで)プチプチ包装より手間がかかりますが、お客様に喜んでいただくためですからそれぐらいはなんともありません。
ビニール盤の場合
これはやはり市販の専用段ボールがいいようです。なのに、その代金を惜しんだのか、レコード屋でくれるビニール袋に入れただけで送ってきた人がいました。当然袋の表面は傷だらけ。傷はしっかり中のジャケットにまで及んでいました。手作りでも段ボール紙なら大丈夫なのに。
しかし、上記のようにそれでも破損することが。レコード自体が割れるということはまずありえません。レコードでいちばん弱いのはやはりジャケットです。それを守るには専用梱包材でも弱すぎることがあるし、水気の問題というものがあります。紙ジャケットは濡れたら終わりですからね。特に海外の梱包用段ボールは紙自体が薄くてペラペラで、日本の湿気を吸うとあっさりヘナヘナになって破れてしまうようです。
でもこれも解決策は簡単。中に1枚ジャケットより大きめの、しっかりした段ボール紙を入れておくだけ。これでまず何があっても大丈夫。
特に心配な貴重盤や船便(これは航空便以上にひどい扱いを受けます)で送るときは、私はまずジャケットに段ボールの当て紙をしてしっかりビニール袋で密封し、それを専用段ボールの箱に入れます。
紙ものの場合
写真やフライヤーなどの紙ものをプチプチでくるむ人もいますが、これも思い切り無意味ですね。紙ものは濡れたり折れたりしないのがかんじん。ここでも段ボール紙が活躍しますが、ビニールで密封するのも大事。
立体物の場合
フィギュアなどの小さくて壊れやすいものや、ボックスセットなど箱自体がつぶれてほしくないものの場合は、大きめの頑丈な段ボール箱を用意し、本体はもちろんビニールでくるんだ上に、隙間にはきっちり詰め物(それこそプチプチでも、ウレタンフォームでも、新聞紙でも)をします。CDに使う段ボールはわざと柔らかいものを選びますが、この箱は当然ながら頑丈なほうがいいです。
これまたオークションで買うと、適当な箱がなかったためでしょうか、箱が小さすぎて中味がつぶれていたり、逆に中がスカスカで中味が躍ってしまい、それで傷がついたりしていたこともあります。
そのため、うちではあらゆるサイズや材質の段ボール箱を揃えています。
ポスターの場合
実を言うと、ポスターの梱包がいちばん楽です。専用筒に入れるだけ。円筒というのは力学的に非常に強い形なので、これが破損することはまずめったにありません。もちろんこの筒も踏めばつぶれますが、細いものなので、荷積みのときも何かの隙間に入れてもらえます。あの筒の上に重い箱を載せたりする作業員は、いくら海外でもいないでしょう。もちろんポスターは水濡れ防止にビニールでくるみます。
その他あれこれ
あと私が気にするのは運送業者ですか。これはやはり郵便局に絶対の信頼を置いています。日本の郵便局ほど頼れる郵便局はほかにないと思います。海外発送の場合は相手国の郵便局が信頼できないので心配するわけです。私は毎日のように大量の郵便物をやりとりしていますが、梱包に問題があって破損したという経験はありますが、国内で郵便物が紛失したとか遅滞したという経験は一度もありません。
その点、宅配業者は何度か問題があったので、お客様からどうしても宅配便でという要望があった場合を除き、たとえその方が多少安くても私は避けています。郵便局にくらべ、アルバイト作業員や配達員が多いことに問題があるのではないかと思うのですが。
同様に自分が送ってもらう品物もできれば郵便にしてもらいたいのですが、郵便局が近くにないからと言って、宅配でしか送ってくれないセラーも多いですね。今は郵便局も電話1本でなんでも自宅まで取りに来てくれて、宅配とサービスは変わらないのに。
宅配は海外への配達もしてくれますが、こちらは料金が郵便局の10倍以上して問題外。というわけで、当店では郵便局しか使いません。大手ショップの海外発送がだめなのも、宅配しか選べないからです。
と、ここまでこちらが神経を使っていても、中には私以上に神経質なお客様もいて、特に海外からの大口購入者、それも初めてのお客様にはそういう方がときどきいます。そういう人は買う前に、梱包はどうか、通関はどうか、いつ発送できるのか、配達日はいつかなどと、根ほり葉ほり、時によると支払いまで数十通のメールをやりとりしないと気が済みません。
もちろん私はそのすべてにていねいにお答えします。(一度ヤフオク・セラーに、こちらが2回質問しただけなのに、「うるさくするなら悪い評価を付ける」と脅されたことがあり、非常にいやな思いをしました。これもプロとアマの違いです) もっとも私が責任を持てるのは、日本を出るまでの部分で、それ以降は相手国の税関や郵便局しだいなので、何も保証はできないんですけどね。
そういうお客様の商品は(普通は軽量化のために手を抜くところを)特別念入りに梱包した上、上から梱包テープでぐるぐる巻きにしてあげます。実はこれはまったく無意味で、梱包テープというのは、まず切れたり剥がれることはありえないので、1回貼れば十分なんですが、見た目がいかにもものものしく見えるので(笑)。普通、ここまでする業者はいないので、そういうお客様は次回からは完全にこちらを信頼して、とてもいいお客さんになってくれます。
そうそう、梱包用テープも要チェックです。これも布や紙のテープはNG。使えるのは透明ビニールの荷造り専用テープだけです。
紙テープはあっさり剥がれたり、破れたりするのでぜんぜんだめ。布テープは粘着力はいちばん強力なのですが、あの糊は剥がしたあとも粘着力を失わず、時にはしみ出したりすることもあります。はみ出た糊が中のジャケットにくっついていたり、梱包を解く際に、あのベタベタがジャケットにくっついてしまったこともあります。
その点、ビニールテープはまったくその心配がなく安全。
ただし当店の商品はたいていキチキチに包んでありますので(これも送料を少なくするための工夫です)、梱包を開ける際は、ご注意ください。カッターを使うと中味まで切ってしまうことがありますので、ご面倒でも手でテープを剥がして開けてください。
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